○魚沼市犯罪被害者等支援条例
令和5年10月3日
条例第29号
(目的)
第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)に基づき、本市における犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、市、市民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等の支援のための施策の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等が必要とする施策を総合的に推進し、もって犯罪被害者等の権利利益の保護並びに被害の早期回復及び軽減を図るとともに、犯罪被害者等を支える地域社会の形成を図り、安全で安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
(2) 犯罪被害者等 犯罪等により被害を受けた者及びその家族又は遺族をいう。
(3) 市民等 市内に住所を有し、居住し、勤務し、若しくは在学する者又は市内で活動を行う団体をいう。
(4) 事業者 市内において犯罪被害者等を雇用する者その他の市内で事業活動を行う団体をいう。
(5) 関係機関等 国、県、警察その他の行政機関、犯罪被害者等の支援を行う民間の団体その他犯罪被害者等の支援に関係する団体をいう。
(6) 二次的被害 犯罪等による直接的な被害を受けた後に、周囲の偏見、無理解による心無い言動、インターネットなどを通じて行われる中傷、報道機関による過激な取材等により犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、心身の不調、名誉の毀損、平穏な生活の侵害、プライバシーの侵害、経済的な損失等の被害をいう。
(7) 再被害 犯罪被害者等が、当該犯罪等の加害者から再び受ける犯罪等による被害をいう。
(基本理念)
第3条 犯罪被害者等の支援は、全ての犯罪被害者等が個人としての尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇が保障される権利を有することを鑑み、これを配慮して行わなければならない。
2 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が受けた被害の状況及び原因並びに犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じ適切に行われるとともに、犯罪被害者等に係る個人情報の取扱いに留意し、二次的被害及び再被害が生ずることのないよう十分配慮して行わなければならない。
3 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援を途切れることなく受けることができるよう行わなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、犯罪被害者等の支援に関する各種施策を総合的に推進するものとする。
2 市は、前項の施策を実施するに当たっては、関係機関等と相互に連携を図るものとする。
(市民等の責務)
第5条 市民等は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深め、市が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。
2 市民等は、犯罪被害者等を地域社会で孤立させないように努めるとともに、二次的被害が生ずることのないよう、十分配慮するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性についての理解を深め、その事業活動を行うに当たっては、二次的被害及び再被害が生じることがないよう十分配慮するとともに、市が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は、犯罪被害者等の雇用及び勤務に十分配慮するよう努めなければならない。
(相談及び情報の提供等)
第7条 市は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪等により害を被ったことにより直面している様々な問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言並びに関係機関等との連絡調整を行うものとする。
(経済的支援)
第8条 市は、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、犯罪被害者等に対し、別に定めるところにより、見舞金の支給等を行うものとする。
(日常生活の支援)
第9条 市は、犯罪被害者等が再び平穏な日常生活を営むことができるようにするため、犯罪被害者等が置かれている状況に応じた生活支援、精神的負担への配慮、保健医療サービス及び福祉サービスの提供その他の必要な支援を行うものとする。
(安全の確保)
第10条 市は、犯罪被害者等が二次的被害及び再被害を受けることを防止し、その安全を確保するため、犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いへの配慮その他の必要な支援を行うものとする。
(居住の安定)
第11条 市は、犯罪等又は二次的被害により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、市営住宅等への入居における特別の配慮その他の必要な支援を行うものとする。
(雇用の安定)
第12条 市は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、犯罪被害者等が置かれている状況について、事業者の理解を深めるための啓発活動に努めるものとする。
(市民等及び事業者の理解の増進)
第13条 市は、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の平穏な生活への配慮の重要性及び犯罪被害者等の支援の必要性について、市民等及び事業者の理解を深めるため、広報及び啓発活動を行うものとする。
(支援の制限)
第14条 市は、犯罪被害者等が犯罪等を誘発したときその他犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でないと認められるときは、犯罪被害者等の支援を行わないことができる。
(委任)
第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。