○魚沼市自然環境保全条例

平成28年7月1日

条例第26号

(目的)

第1条 この条例は、美しい魚沼の四季とこれを織りなす豊かな自然を市民が愛護し、及び保全することによって、自然と市民生活の調和を維持し、将来の世代に継承することを目的とする。

(基本理念)

第2条 全ての者は、自然環境を享受する権利を有するとともに、自然環境の保全は、自然環境が人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであることを認識し、将来にわたって、自然環境、生態系及び生物多様性(以下「自然環境等」という。)を保全しなければならない。

(市の責務)

第3条 市は、この条例の目的を達成するため、自然環境等の保全に関する基本的かつ総合的な施策を実施しなければならない。

2 市は、市民に対して自然環境等の保全に関する知識の普及、高揚を図るとともに多様な主体が連携し、及び協働することにより行われる自然環境等の保全のための自発的活動の育成及び支援に努めなければならない。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、その事業活動に当たって、自然環境等を適正に保全するよう必要な措置を講ずるとともに、市が実施する自然環境等の保全に関する施策に協力しなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、自然環境等を適正に保全するよう努めるとともに、市が実施する自然環境等の保全に関する施策に協力しなければならない。

(基礎調査)

第6条 市長は、自然環境等の保全のために講ずべき施策の策定に必要な基礎調査を実施するものとする。

(国及び県への要請)

第7条 市長は、この条例の目的実現のため必要と認めるときは、国又は県に対し必要な措置をとることを求めるものとする。

(財政上の措置)

第8条 市長は、自然環境等の保全に資するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(保全地区及び保護動植物等の指定)

第9条 市長は、良好な自然環境等を保全するために、次の各号に掲げる保全すべき地区(以下「保全地区」という。)又は保護すべき動植物、地域個体群、生物群集等(以下「動植物等」という。)当該各号に掲げる区分及び態様に応じて指定することができる。

(1) 自然緑地保全地区 山林等自然を残すために保全することが必要な地区

(2) 自然景観保全地区 景勝地等自然風物を残すために保全することが必要な地区

(3) 動植物等保全地区 野生動物の生息地(渡来地及び繁殖地を含む。)、又は野生植物の生育地であって、それら動植物等の保護又は繁殖を図るために保全することが必要な地区

(4) 保護動植物等 野生の動植物等であって、その保護又は繁殖を図るために保護することが必要な動植物等

2 市長は、前項の指定をしようとするときは、魚沼市環境基本条例(平成19年魚沼市条例第24号)第14条に規定する魚沼市環境審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、第1項の保全地区を指定しようとする場合において、その土地の所有者、占有者又は管理者(以下「所有者等」という。)があるときは、その承認を得なければならない。

(保全地区及び保護動植物等の指定の告示)

第10条 市長は、前条に定める保全地区又は保護動植物等を指定したときは、その旨及びその区域又は種名その他規則で定める事項を告示しなければならない。

(標識の設置)

第11条 市長は、保全地区又は保護動植物等を指定したときは、当該区域内にその旨を表示した標識を設置しなければならない。

2 土地の所有者等は、正当な理由がない限り前項の規定による標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

3 何人も、第1項の規定により設置された標識を汚損し、若しくは損壊し、又は市長の承認を得ないで移転し、若しくは除去してはならない。

(指定の解除及び区域の変更)

第12条 市長は、公益上の理由その他特別な理由があるときは、保全地区又は保護動植物等の指定を解除し、又は区域の変更をすることができる。

2 前項の指定の解除又は区域の変更については、第9条及び第10条の規定を準用する。

(保全地区内における行為の許可)

第13条 保全地区内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、当該行為に着手しようとする日の60日前までにあらかじめ市長の許可を受けなければならない。ただし、当該行為をしようとする箇所が自然公園法(昭和32年法律第161号。以下「法」という。)第2条第2号に規定する国立公園(以下「国立公園」という。)、同条第3号に規定する国定公園(以下「国定公園」という。)又は新潟県自然環境保全条例(昭和48年新潟県条例第34号。以下「県条例」という。)第14条に規定する自然環境保全地域(以下「県保全地域」という。)の区域内の場合(当該箇所が国立公園又は国定公園であって、法第20条の規定に基づき、環境大臣又は新潟県知事が指定する特別地域の場合にあっては第7号から第10号までの規定に、同法第33条に規定する普通地域の場合にあっては第5号及び第7号から第10号までの規定に、当該箇所が県保全地域であって、県条例第17条の規定に基づき、新潟県知事が指定する特別地区の場合にあっては第6号から第10号までの規定に、同条例第19条に規定する普通地区の場合にあっては第5号から第10号までの規定に該当する場合を除く。)は、この限りでない。

(1) 建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。

(2) 宅地を造成し、土地を開墾し、又はその土地の形質を変更すること。

(3) 鉱物を採掘し、又は土石を採取すること。

(4) 水面を埋め立て、又は干拓すること。

(5) 木竹を伐採すること。

(6) 広告物その他これに類するものを掲出し、又は設置すること。

(7) 新潟県が指定した最新の絶滅危惧種選定種一覧(以下「県指定絶滅危惧種一覧」という。)に選定されている植物及び市長が指定する植物を採取し、又は移植すること。

(8) 県指定絶滅危惧種一覧で選定されている動物及び市長が指定する動物を捕獲し、又は卵を採取すること。

(9) 市長が指定する地区内において、当該地区が本来の生息、生育地でない又は当該地区以外に生息、生育している動植物で、自然環境等の保全に影響を及ぼすおそれのあるものとして、市長が指定する動植物の個体を放ち、又は植栽し、若しくは種子をまくこと。

(10) 次のいずれかに該当する照明、投光器具等(誘蛾灯その他の害虫駆除を目的とした照明及び防犯灯、街灯その他の昆虫採集を目的としない照明を除く。以下「照明器具等」という。)を用いた昆虫の灯火採集をすること。

 出力が30ワット以上の照明器具等を用いて採集する場合

 100メートル以内の距離で2以上の照明器具等を用いて採集する場合

(11) その他自然環境等の保全に影響を及ぼすおそれがあるとして市長があらかじめ指定した行為をすること。

2 市長は、前項の規定による許可に当たっては、自然環境等の保全に必要な限度において、条件を付すことができる。

3 市長は、それぞれの保全地区の様態を勘案し、当該保全地区において第1項の規定が市民の生活等に影響を及ぼす可能性があると思料されるときは、同項各号の一部の規定に該当する場合であっても、同項の許可を要しないものとすることができる。

4 次の各号に掲げる行為については、第1項の規定は適用しない。

(1) 通常の管理行為及び非常災害時の応急措置として行う行為

(2) 保全地区に関する保全事業の執行として行う行為

(3) 工作物の修繕を行う行為

5 次に掲げる団体は、第1項各号に規定する行為(以下「制限行為」という。)をしようとするときは、同項の許可を要しない。この場合において、当該制限行為をしようとするときは、あらかじめ市長に協議しなければならない。

(1) 

(2) 地方公共団体(魚沼市を含む。)

6 保全地域が指定され、又はその区域が拡張された際現に当該保全地区内において第1項第1号から第4号までに掲げる行為に着手している者は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。

(保護動植物等に係る行為の制限)

第14条 何人も、保護動植物等を捕獲し、採取し、殺傷し、又は損傷してはならない。ただし、あらかじめ市長の許可を受けた場合は、この限りでない。

2 市長は、前項ただし書の規定による許可に当たっては、自然環境等の保全に必要な限度において、条件を付すことができる。

3 次の各号に掲げる行為については、第1項の規定は適用しない。

(1) 通常の管理行為、教育的行為及び非常災害時の応急措置として行う行為

(2) 保護動植物等に関する保全事業の執行として行う行為

(立入調査)

第15条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、職員をして保全地区内の土地に立ち入り、当該土地若しくは当該土地にある物件又は当該地区内において行われている行為の状況を調査させることができる。

2 前項の職員は、その身分を証する証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 何人も、正当な理由なく第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。

(中止命令等)

第16条 市長は、次に掲げる者に対し、当該行為の中止、原状回復その他必要な措置を命ずること(以下「中止命令等」という。)ができる。

(1) 第13条第1項第1号から第6号までの規定に違反した者

(2) 第13条第2項の規定により付した条件に違反した者

(自然保護協力員等の設置)

第17条 市長は、自然環境等の保全のため、自然保護協力員を置くものとする。

2 市長は、自然環境等の保全業務を団体に行わせることで前項の自然保護協力員の設置に替えることができる。

(令2条例10・一部改正)

(氏名等の公表)

第18条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者の住所及び氏名(法人にあっては、所在地及び名称)並びに違反等の内容を公表することができる。

(1) 第11条第3項の規定に違反した者

(2) 第13条第1項第7号から第10号までの規定に違反した者

(3) 第14条第1項の規定に違反した者

(4) 第14条第2項の規定により付した条件に違反した者

(5) 第15条第3項の規定に違反した者

(6) 第16条の規定による中止命令等に従わない者

(罰則)

第19条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(1) 第13条第1項の許可を受けずに、同項第1号から第6号までに規定する行為を行い、かつ、第16条の規定による中止命令等に従わなかった者

(2) 第13条第1項の許可を受けたが、同項第1号から第6号までの制限行為と異なる行為をし、かつ、第16条の規定による中止命令等に従わなかった者

(3) 第13条第2項の規定により付した条件に違反し、かつ、第16条の規定による中止命令等に違反した者

2 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

(1) 第13条第1項の許可を受けずに、同項第7号から第10号までに規定する行為を行った者

(2) 第13条第1項の許可を受けたが、同項第7号から第10号までの制限行為と異なる行為を行った者

(3) 第14条第1項の規定に違反した者

(4) 第14条第2項の規定により付した条件に違反した者

第20条 第11条第3項又は第15条第3項の規定に違反した者は、20万円以下の罰金に処する。

第21条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の刑を科する。

(委任)

第22条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第11条第13条から第16条まで及び第18条から第21条までの規定は、公布の日から起算して6箇月を経過した日から施行する。

(魚沼市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 魚沼市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成16年魚沼市条例第37号)の一部を次のように改める。

〔次のよう〕略

(令和2年3月19日条例第10号)

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

魚沼市自然環境保全条例

平成28年7月1日 条例第26号

(令和2年4月1日施行)