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【まちなかキーパーソンインタビューvol.4】魚沼レトロ化計画 櫻井 治さん
まちなかキーパーソンインタビュー(全4回)
魚沼市の中心市街地を盛り上げるべく、
8月中に実施した、「小出まちなか実証実験店舗 お試し出店」。
短い期間だったにもかかわらず、4名の方がお試し出店に手を挙げてくださいました!
どの方たちも、「魚沼をもっと楽しくしたい」とそれぞれに考え、実際に行動を起こしている人たち。
きっとこの先も、魚沼のかたちを変えていくキーパーソンになる人たち。
その思いを聞いてみました。
魚沼レトロ化計画 代表 櫻井 治さん
商店街で8月19日~23日まで、
「夏休みおもちゃ秘密基地&昭和レトロポスター展」を開催していただきました。
今回は、櫻井さんのレトログッズ秘密基地である
「エリア878魚沼博物館」へおじゃましてきました!
さわれる、遊べる、博物館
- 玄関を開けると、もうそこは異世界
- 1階 昭和コーナー!
・2階 平成~令和コーナー!
- さらに奥には、特撮コーナー!
- その隣には、野球コーナーも!
このレトログッズ博物館に込めた思いを教えてください。
手に触れて、楽しんでもらいたい!
それだけです!
えっ、それだけなんですか(笑)
うん、本当にそれだけ(笑)
レトログッズを見に来てくれた人を喜ばせたい。
懐かしいおもちゃや雑誌を手に取って見て、懐かしい気持ちになってほしい。
その気持ちは、グッズを集め始めたころから今まで、ずーっと変わらないです。
実際に手に取ることができるっていうのは、前代未聞です。
普通の博物館は、ガラスケースにきちんと収納しますよね。
ガラスケースとの距離がイヤなんですよ。
やっぱりさわってみて、手触りやにおいも感じてほしいんです。そうしないと本当に昔に戻った気持ちになれないでしょ。
昔の雑誌もレコードも、読んだり聴いたりさせてもらえるのだ
でもやっぱり、貴重なものが多いので、ためらわれますよね…(汗)
みんなそう言って触りたがらないから、もう自分からお客さんの手に乗せちゃいます(笑)
フィギュアとかもね、子どもさんが触ると親御さんが「さわっちゃダメ!」っていうんですよね。でも私は、どんどん触らせて遊ばせる。
そうすると子どもさんがもう夢中になって、この棚のフィギュアをみんな下ろして大喜びで遊ぶんですよ。
えっ!!このきちんと並べられた無数のフィギュアを!?
いいんですか!?
だって、本当に目をキラキラさせながら遊ぶんですよ。
こっちも嬉しくなっちゃって。
また並べ直すのも、次はどんな並べ方にしようかな~と思うと楽しいじゃないですか。
なんと…その発想はありませんでした。
でもね、そんなこと言ってると本物のレトロコレクターの方に怒られちゃうんですよ。
「こんな貴重品、なんでそのまま飾ってるんですか!」
「きちんとガラスケースに入れてください!」とか。
「コレクター」ではないんです
おさむさんは、コレクターではないんですか。
私はコレクターとは違うんです。ただのマニアなんです。
レトログッズを収集するのが目的ってわけじゃなくて、
レトログッズにまつわる思い出とか、当時のまちや人の様子とか、そういう懐かしさをレトログッズにからめて語りたい、というのが目的なんです。
だから、自分で集めたグッズもあるけど、人からもらったグッズも多いよ。
そういえば、この膨大なグッズ、どうやって集めたんですか?
リサイクルショップや古物商から買い集めたりとかするんですか。
当時、自分のお小遣いで買ったものもあるけど、
展示品としてわざわざ仕入れたりしたものは一つもないよ!
え、どういうことですか。
今はもうないけれど、昔は小出商店街に映画館があったり、おもちゃ屋さんがあったり、本屋さんがあったりしたでしょ。
そのお店が閉店するときにもらったものだとか、公開が終わった映画のポスターを映画館でもらってきたりとか。
だから、お店や知り合いの厚意で譲り受けたものがほとんどなんだよ。
それを、きちんと未開封でコツコツ保存してきたと。
うん。
還暦過ぎたらレトロ博物館やろう!と思ってね。
でも、ある日有名な鑑定士の方が、「魚沼にすごいレトロマニアがいるらしい」といううちのウワサを聞きつけて、遊びに来てくれたんですよね。
そしたら、うちを気に入ってくれて、「還暦なんて待たなくていい!すぐ始めなさい!」と(笑)
それをきっかけに、2012年にこの博物館を始めるために、長年かけてためてきたグッズをようやく箱から出したんです。
出した途端、優しかったおもちゃ屋さんの老夫婦、立ち読みして怒られた本屋さん、足をボロボロにして歩いて行った長岡の映画館、父母との思い出…今までのことがフラッシュバックして泣けてきましたね。
1960年代の小出町を映した白黒写真。
あとは、「自分で持っているよりおさむさんに持っていて欲しい」と
貴重なグッズをくれる人もいるんだよね。
貴重なのに、譲っちゃうんですか。
だから、私は「大事な物なんだから自分で持っていた方がいいのに」と言うんだけど、
「家にあってもきちんと保管できないから、ものを大切にしてくれるおさむさんに預けたほうがいい」って言うんです。
あ…なんかその気持ち分かる気がします。
なので、こうしてここに飾っておくと、
持ち主の方がまた自分の宝物を見たくなって、会いに来てくれたりするんだよね。
それも嬉しいんです。
レトログッズと叶える、おさむちゃんの夢
見ていただいた通り、昭和から令和までのおもちゃ、映画、レコード、ゲームもあるので、どんなジャンルにも対応できるんですよ。
たとえば、今でも動く8mm映写機なんかもありますので、映写会イベントなんかもできますよ。
古い映画やレコードを聴きながら、お酒を飲んだり…最高です!
おもちゃだけでなく、昔の小出町の写真や新聞、実際に生活で使っていた古民具なんかもありますよ。
こ、これは懐かしの小出スタンプ!昭和生まれの旧小出町民にはグッときます…
昔の魚沼の暮らしを知る貴重な教材にもなりますね!
おさむ先生が語ったら、楽しく学べそうです。
お年寄りから子どもさんまで、どんな年代の人も楽しませたいんです。
レトロって、昭和を知らない世代の人でも懐かしい気持ちに浸れる魅力がありますから。
昔の魚沼を語る、膨大な資料の数。
ありとあらゆる資料をきれいにファイリングする几帳面さには、恐れ入ります。
いいですね。これからやってみたいこととかありますか。
魚沼を盛り上げたいんですよ。
まちのためにやりたいんです。
地元の人たちとも協力して、地元のお店を盛り上げたいです。
私のこのグッズはあくまで人を呼ぶためのオマケなんです。
本当にやりたいことは、商店街を盛り上げること。
自分が生まれ育って、たくさん思い出のある商店街のお店を一緒に盛り上げたい。それが一番の夢なんです。
なんと、レトログッズはオマケだったとは!
そうなんです。
何度も言うけど、私はコレクターではないので。
本当にやりたいのは、地元のお店を盛り上げること。
これ、今までいろんなインタビュー受けてきたけど、初めて言いました!
それは光栄です!
みんな、グッズの方に注目しちゃって、私個人の思いにまでたどり着かなかったんだけど、
私の本当の思いは、魚沼を盛り上げたいっていうことなんです。
大人も子どもも、商店街に遊びに来てほしい。みんなを楽しませたい。
大好きな小出町の歴史や、思い出の語り部になりたい。魚沼いいところだよって伝えたいんです。
ああ、言えて良かった!
おさむさんの純粋な思いにじーんときました…。
本日は、ありがとうございました!
市民団体 魚沼レトロ化計画
エリア878魚沼博物館
代表 櫻井 治(さくらい おさむ)さん
facebookはこちら<外部リンク>
以上、「まちなかキーパーソンインタビュー」でした
全4回にわたってお送りしました「まちなかキーパーソンインタビュー」。
小出商店街を盛り上げるため、試行錯誤を繰り返す中で、
自分のやりたいことに向かって動いている人たちに出会い、
やっぱり大切なのは、「行動すること」と「人と出会うこと」だと感じました。
今、小出のまちなかは、
「まちを楽しくしたい」という人たちの思いが集まって、少しづつ変わりつつあります。
思いもよらなかった人との出会いは、新たな自分との出会いにもなります。
あなたも「キーパーソン」の一人になりませんか♪