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【突撃!オープンファクトリーVol.4】機械に指輪に宇宙まで!?この世にないモノ作っちゃう、名物社長!(株)大栄溶接工業

ページID:0026215 更新日:2024年12月4日更新 印刷ページ表示

オール魚沼の会社見学会、オープンファクトリーレポート(全4回)

今年で第3回を迎えた「魚沼オープンファクトリー2024」。
普段なかなか見ることができない魚沼市内企業の仕事を
間近で見て、知って、体験することができる
大好評のイベントです。

本日お邪魔するのは「株式会社 大栄溶接工業」

見渡す限りの野山に田んぼ…
そんなのどかな場所、魚沼市旧守門村に工場はあります。

大栄溶接工業

「溶接」って、どんな仕事なんでしょうか?

溶接とは、金属の一部に熱をかけ、混ぜ合わせ、冷却することで1つに接合する加工法です。
金属、と一言に言っても、チタンにアルミにステンレスに、
いろんな金属があって、それぞれに手法も異なりますので
奥深い世界なんですよ。

どんな製品を作っているのか、見てみたいです!

いろいろあるんだけど、
このアルミ製折り畳み階段はうちのオリジナル製品だよ。

アルミ折り畳み階段

これね、自社製作なんだけど、精度上げすぎてしまって。
コンマ1ミリずれると組み立てられないんだよね。
自分で自分の首絞めてる感じ(笑)

社長のものづくりへのこだわりが感じられる製品ですね!

皆さんの身近なものでいうと
消雪パイプのノズルとかも加工しています。

あとは、アクセサリーの加工もやります。

これは、指輪ですか?

左が加工前で、右が加工後。
微妙に曲げてあるのがわかりますかね。

指輪

あ!わかります。おしゃれな感じになってます。

というような感じで、紹介しきれないくらい、多くの種類の物を扱っています。

高速道路のお悩み解決!「除草剤散布装置」開発エピソード

除草剤散布装置

車の側面から何かの液体が出てるようです。
これはどういう機械ですか?

高速道路の除草作業をしている方から、こんな相談があったんですよ。

「道路に除草剤をまくと、風で薬品が飛んでいってしまい、
道路の近くの住宅や農地に、除草剤の被害が及んでしまう。
除草剤をまく量を最小限にして、風で飛ばないようにできないだろうか。

あと、高速道路上で車の外に出て作業をするのは非常に危険なので、
車から降りなくても作業できる方法はないだろうか…」

この課題を解決するために、
薬剤の飛散を極限まで防ぎ、
作業者が車内でリモコン操作できる装置を開発しました。

まさに要望を全部叶えちゃったんですか。

この話を受けたときはプレッシャーだったけどね!

飛散させないためにどうするか、自分で散布してみて、
ノズルどうしよう、取り付けどうしよう、
圧力や量を調整して、マニュアルを作って…

依頼者の方と実験を繰り返して、ついに完成した時は

「すばらしい製品だ!よくこんなの作れましたね!」

と喜んでもらえて。
作業を機械化、自動化したことで、結果的に人手不足にも対応できたことは
要望以上の成果があったね。

大栄溶接さんのものづくりが社会を良くした瞬間ですね!

人に期待されると、それ以上にがんばりたくなっちゃう性分なんだよね(笑)

「アルミ製折り畳みゴミ収集ボックス」を作って、持って行ったときも
「来た来た!待ってたよ!これでカラスが来なくなる!」と大喜びしてもらえて。

ゴミボックス

お客さまがこの技術と、会社を育ててくれたと思っています。

「誰もやらないことをやる」脱サラして、溶接工場の社長に

社長は昔からこの工場で育ったんですか?

いやいや。昔は普通にサラリーマン。
いくらがんばっても、面白いことやっても、給料が変わらないのがつまらなくて(笑)

全くやったことないことをやりたいと思ってたんだけど、
29歳の時に、妻の父親から
「溶接が出来るといいんだけどな!」と言われ、
勤め先に辞表を出し、溶接をするようになりました。

か、かなり思い切りましたね。経験はあったんですか?

いや。全くの素人。
素人が一人で立ち上げた会社なんです。

なので、最初は苦しかったですよ。
誰もやってないことにチャレンジしていたので、周りに教わる事もできませんでしたが、
アドバイスをもらったりしながら、やっていましたが
やがて、お金も使い果たして。
経験値も蓄積され、資格取ったりで、やっと仕事とお金が入ってくるようになりました。​溶接

こういうモノがほしい、というお客さまの要望や困りごとを聞いて、
それが例えこの世にまだないモノだとしても、
「作っちゃえばいい!」と思うんです。

そう思い立つと、
朝4時くらいに目が覚めたころ、布団の中で、まず頭の中で一回作るんですよ。
頭の中に部品を集めて、組み立てて。
それがピタッとはまって、お客さまの思いを実現できたときは嬉しいですね!

リアル「下町ロケット」!?大塚社長、宇宙への挑戦!

そして、この技術が認められて、
北海道の宇宙開発事業関連の会社から依頼を受けたんですよ。
「超音速無人機用エンジン用ガスジェネレーター」っていうんだけど。

ちょ、超音速無人機。平たく言うと「ロケット」ですか?

そうですね。その部品の溶接の仕事をしました。
その会社さんもいろいろな溶接工場に依頼したそうなんですが、
難しい仕事なので受け手がなく困っていたようです。

その仕事が、魚沼の大栄溶接工業さんに舞い込んできたと。

溶接って、一つ間違うと金属の組織が変わってダメになるので
職人の技量とかセンスが問われる作業なんですよね。

800度以上の高温、高圧燃焼ガスが通る配管で、
過酷な環境でも耐える溶接が必要なので、不可能とも言われた難しい技術でした。
他の工場の製品では溶接部分がポロポロと取れてしまったり、上手くいかなかったそうで。

ガスジェネレーター

でも、うちの技術でそれを可能にしたんです。

す、す、すごいです!!
魚沼の大栄溶接が、宇宙に羽ばたく日が来る!?

いやいや、わからないよ~。
来る…「かも」ですよ(笑)
でも、この技術を確立したことによる会社への影響は大きいですね!

魚沼すごいよ!

こんなのどかな場所に、日本有数の技術者がいるなんて、思いもしませんでした。

魚沼にスゴイ企業も技術者も、たくさんいるんですよ!
みんなが知らないだけで。

地味だけど辛抱強い、そういう技術者で日本は成り立ってるんだと思います。

加工中

この仕事はどんな人におすすめですか?

うちはいろんなもの作ってるし、毎日違うことやってるから。
いろんなものに興味がある人がいいかな。

最近、未経験で入社してくれた子がいるんだけど、
面接の日、目を見た瞬間に、「この子だーーーっ!」と思ったね(笑)

衝撃が走ったと(笑)

その直感通り、もうセンスが抜群。
溶接の場合はその人の性格やセンスが表れるから、経験を積めばいいってもんじゃないところもあるんだけど、普通の人が10年かかってもできないところをたった数年でやっちゃうような。
だから、未経験でもやってみないとわからないよ。

次世代の優秀な技術者が育っているんですね!
将来が楽しみです!

なんでもつくる大塚社長はお米もつくる

好きな魚沼グルメとか、好きな場所とかありますか。

やっぱコメでしょう。
自分でも米作りもするんですけど、食味コンテストで金賞取ったこともありますよ。

農業もするんですか!本当に多才ですね!

好きな場所は、須原スキー場とか。
須原スキー場には「星の家」っていう施設があって、天体望遠鏡があるんですよ。
​若い時に、天体観測をスキー場の上でやっていて、
それがきっかけで、国の補助金対象となり、スキー場の山頂に星の家が作られました。
​天体観測が趣味なので、よく行ってましたね。

この辺は見てのとおり自然豊かな場所なので、星も綺麗だし、
そこいらの山や川に行くだけでも、じゅうぶん面白いですよ。

今は、なかなか忙しくてできませんが、いずれ楽しもうと思っています。

お忙しいところ、本当にありがとうございました!

株式会社 大栄溶接工業のホームページはこちら!<外部リンク>

以上、魚沼オープンファクトリーレポートでした

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

魚沼の誇る製品の技術力を知り、
魚沼の誇る技術者の人柄に触れ、
市内企業がもっと身近に感じられたのではないでしょうか♪

行って、見て、知って、楽しい「オープンファクトリー」。
来年もみなさんのご参加、お待ちしてまーす!

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