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魚沼のオヤカタ論。-魚沼市森林組合編-

ページID:0032804 更新日:2025年8月19日更新 印刷ページ表示

​皆さんは何を基準に「仕事」を探しますか。
やりがい、憧れ、職場環境など十人十色の基準があると思います。
『魚沼のオヤカタ論。』では、市内事業者のTop=オヤカタの、仕事への姿勢や熱い想い、きれいごとだけではない現場の話などを伝えていきます。

 

木と共に少しずつ成長していく「魚沼の森の守り人」への道。

平井正尚氏
​魚沼市森林組合 代表理事組合長  平井 正尚 氏

 

組合の成り立ちについて教えてください

当組合の起源は昭和16年、「追補責任須原村森林組合」として設立されたことに始まります。
その後、昭和31年に須原村と上条村が合併し、「守門村森林組合」へと名称を変更。
さらに平成16年の町村合併を機に、守門村森林組合と入広瀬村森林組合が合併され、現在の「魚沼市森林組合」が誕生しました。

森林整備事業と並ぶもう一つの柱が、山菜加工品・惣菜食品等製造販売事業です。
昭和47年に食品加工場が完成すると女性の働く場が生まれ、また、当時男性は冬場出稼ぎに出るのが一般的でしたが、男性も地元で働き続けられる環境が整っていきました。

 

組合長の経歴について教えてください

昭和50年代前半に都内の学校を卒業して地元に帰り、守門村森林組合に就職しました。以来、林業一筋約50年です。平成19年には前任者から引き継ぎ、組合長に就任しました。

 

主な業務内容を教えてください

森林部門では、現場管理職員3名、作業員11名が在籍し、主に間伐・主伐作業や下刈、除伐などの保育事業を行っています。
魚沼地域で造林が始まった昭和35年頃に植えられた杉林が今、ちょうど伐採の時期を迎えており、私たちはその循環を支えています。また、木を伐るだけでなく、次の森を育てるための植林も大切な仕事です。

作業詳細
写真 説明
街中では、重機で木を支えて伐採作業を行う。

◇市街地での伐採作業

市街地での伐採は、立木の周囲に倉庫などの建物が隣接している場合が多く、山林での伐採に比べて困難な場面が多くあります。そのため、グラップル付き重機で木を保持したまま伐倒したり、クレーンを用いて上部から分割伐採することもあります。
写真の現場は、農道の片側が深い堀、もう片側が池に面していたため、グラップルで立木を掴んで伐採し、そのまま運搬して枝払い・玉切りなどの処理を行いました。

残雪が残る山での伐採作業

◇残雪が残る山での伐採作業

冬から春先の伐採現場では、積雪を足場として伐倒を行うことがあります。畑に接するスギの伐採は、春から秋にかけて行うと畑側に影響や損害を及ぼすおそれがありますが、雪上で伐採を行えば収穫物を損なうことなく安全に作業が可能です。
また、田んぼ脇に生えているスギは、かつては稲のはざ掛けに利用されていましたが、機械乾燥の普及により使われなくなりました。さらに、スギの枝葉は落下しても分解されにくく、トラクターやコンバインなど農機の故障につながるため、伐採が増えています。田んぼが非稼働の冬期間は、雪上で重機も使用できることから、この時期の伐採が多くなっています。

根曲がりスギの間伐作業

◇根曲がりスギの間伐作業

山中で行う間伐作業は、農作物でいえば「間引き」に相当します。将来の主伐に備えて優良木を残すため、形質不良木(曲がり木、腐れ木、折損木、二又木など)や、優良木の成長を阻害している不良木を伐倒します。
雪国のスギは積雪の影響で根曲がりを起こすものが多く、その中でも成長が遅い・悪いものを中心に間伐していきます。かつては間伐した材を山から搬出する技術がなく、伐採材をそのまま山に残す「切捨て間伐」が主流でした。しかし、重機の発達により間伐材を搬出できるようになったことで、形質の悪い木であっても集材・出荷する「搬出間伐」が可能となりました。


林業の魅力はどこにありますか

苗木から育てた木が成長していく達成感。そして、木を伐り倒すときの迫力と爽快感は、言葉では言い表せないものがあります。私たちの仕事は、SDGsやカーボンオフセットなど環境意識の高まりにも通じており、「魚沼の森を守っている」という自負を持って取り組んでいます。

苦労する点や大変なことは何でしょうか

自然が相手の仕事ですので、作業が天候に左右されやすいです。夏の酷暑や秋の冷たいみぞれの中での作業もありますし、重機を扱う作業には常に危険が伴います。安全への意識と判断力が何より求められます。また、現場にトイレがないこともありますし、ハチなどの虫対策も大変な点のひとつです。

 

どのような方に向いている仕事だと思いますか

体力がある方、そしてチームでの連携を大切にできる協調性のある方が向いていると思います。森林や林業に興味があり、明るく健康的な方であれば、学歴や年齢は問いません。
​残業は基本的に無く、体が元気であれば70歳まで働くことも可能です!

必要な資格はありますか

普通自動車運転免許は必須です。
入組に当たって林業に関する特別な資格は不要ですが、「刈払機取扱作業者安全衛生教育講習」と「伐木・チェーンソー作業従事者特別教育講習」は入組後すぐに受講していただきます。これらの受講費用は当組合で負担します。
重機や高所伐採など専門的な作業に携わる方には、資格手当も支給しています。

 

組合のPRをお願いします

魚沼市森林組合では、「魚沼!森林塾」などでの啓発活動も積極的に行い、森林の大切さを広く発信しています。林業は決してなくなることのない重要な仕事ですし、近年はIT導入も進んでいます。週3日勤務などライフスタイルに合わせた働き方の相談も可能です。

UIターンの方も大歓迎しますので、ぜひ魚沼の森で私たちと一緒に林業の未来を育てていきましょう!

 

―ありがとうございました

 

約50年に渡って魚沼の林業を支え、市や県の林業政策にも尽力してきた平井組合長。その姿勢に触れると、「森を守る仕事」への誇りと責任の重さが伝わってきます。
市の面積の約8割を森林が占める魚沼市。その森を次世代につないでいく「魚沼の森の守り人」に、あなたもなってみませんか?

 

 

■会社情報
魚沼市森林組合
新潟県魚沼市細野208番地1
Tel:025-797-2142
Fax:025-797-2368
E-mail:uonuma-shinrin@ah.wakwak.com
会社概要はこちらをクリック<外部リンク>(魚沼市森林組合HP)

■事業内容
森林整備事業、山菜加工品・惣菜食品等製造販売

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