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魚沼暮らしの歳時記 -睦月-
魚沼市には、年間を通してさまざまな年中行事があります。
多くは無病息災や豊穣祈願など生活に根付いたもの。
便利になった私たちの生活に忘れら去られるようになった小さな行事も、まだまだ息づいています。
その中でも今回は、1月の小正月に行われる「さいの神」を取材しました。
さいの神
ここ2年ほど、小雪が続いた魚沼市。
今季は12月中旬から断続的に降り続き、今や積雪2mを超す「いつもの」雪国・魚沼になりました。
魚沼には様々な年中行事があり、さいの神もその一つ。
昔は小正月行う行事でしたが、現在は休みの日などに合わせて行われる事も多くなりました。
地域や集落によってさいの神の組み方が違ったり、ご神体の雪像を作ってまつる地域もあるなど、それぞれの地域性がでる行事でもあります。
写真は、魚沼市の中でも積雪量が多い入広瀬地域の横根地区で行われたさいの神の模様です。
さいの神の準備は秋のカヤ刈りから。
カヤもはざかけをした稲わらも、さいの神を行う日まで取っておきながら乾かします。
当日は、朝から男衆がさいの神を組み立てます。
心棒として竹が建てられ、カヤや竹、杉の葉を縄で縛りながら入口を作りつつ円錐形になるよう組み立てます。
さいの神の中に、お正月に飾ったしめ縄や古いお札を入れて準備完了。
入口には小さな祭壇がまつられ、無病息災を祈り、その年の年男の代表者がさいの神に火を点けます。
燃え上がる炎であぶったスルメを食べ、お神酒を飲めば一年間健康でいられるとか。
棒にスルメを付けて焼いています
ちなみに、さいの神の火で煙草を吸うと、虫歯にならないという言い伝えもあるという話を聞いてびっくり!
集落の方に話をうかがうと、昔は小正月の朝の囲炉裏への火入れは一家の大黒柱が行い、その火で餅を焼いて食べたご家庭もあるとの事でした。
伝統には言い伝えも様々あり、それらが忘れず途切れないようにしていくことも大切だと感じたさいの神でした。