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魚沼のオヤカタ論。 -株式会社入広瀬編-

ページID:0007580 更新日:2023年2月20日更新 印刷ページ表示

就職・転職を考える時、人は何を基準に「仕事」を探しているのでしょうか。

私事ですが、2度目の転職を考えている時、転職サイトにびっしりと刻まれた某会社社長の想いに興味を持ちました。
大きな会社ではなかったけど、社長の活きた声はしっかりと私の中に届き、この社長の下で働いてみたいと思ったことがきっかけで、その会社に転職を果たした過去があります。

『魚沼のオヤカタ論。』では、市内事業者のオヤカタの、仕事に対する姿勢や内に秘めた熱い想い、きれいごとだけではない現場の話などを伝えていきます。
私と同じように、この記事を読んでいるあなたの、就職、転職先を考える一助になることを願って。

 

日本人の命を守っているのは農家だという自負と誇り。

それが自分の根幹、骨組みになっている。

株式会社入広瀬 佐藤氏の写真
株式会社入広瀬 代表取締役 佐藤貞 氏

 

魚沼市入広瀬地域。
守門岳、浅草岳を有する特別豪雪地帯だが、雪解け水や広葉樹など大自然の恩恵により、
山菜やキノコが豊富に採れる食の宝庫でもある。
中山間地と呼ばれるこの地は高齢化も進み、年々離農者も増えていく中で、
農業の担い手として奮起する若き農業者・佐藤貞さんを雪降る中、訪ねた。

 

佐藤さんはUターンされてきたのですよね。

農業を始めるまでは、長岡市で測量会社に13年勤めてました。

 

もともと農家になりたかったのでしょうか

自分が子どもの頃見た光景は、じい(祖父・惣五郎さん)が黒いカッパにすげ笠かぶって、手押しで代かきしてるんですけど、泥がべちゃべちゃ引っかかっていて、田んぼの周りはまだ雪が残っていて、吐く息も白い。
それを見て、農業はやだなと思ってました(笑)

惣五郎が80歳を過ぎて田んぼの管理が難しくなったころ、家業である建設業にもやや陰りが見えてきて、このままではいけないと新しく(株)入広瀬を立ち上げ、農業に新規参入したのが平成19年。
最初の頃は惣五郎と、家業の建設業から(株)入広瀬に異動した従業員の二人で田んぼをしていました。
私は農業をこれといってやりたかったわけではないし、親父も田んぼが嫌い。
長男だからいずれは実家に戻ろうと思ってはいたけど、後を継げと言われたことは一度もなかったですね。
もしかすると心の中では戻ってきてほしいと思っていたのかもしれませんが。

 

どちらかというとあまりやりたくなかった農業を、する気になったのはなぜでしょう

祖父が認知症になって介護が必要になったこと、その老いを見て人の一生には時間があって、いつまでも若くいられない。
モタモタしていられないというタイミングや縁があって、農業をやってみようと平成22年の冬に測量の仕事を辞め、実家に戻りました。
この頃は農業を始める人のために支援が充実し始めたというのもあったし、市内の大きい農家さんで1年間研修させてもらうこともできました。
今、農業を始めて丸6年が経ちましたが、まだ6年なんですよ。

農業をしている写真

農業といえば体力的にもきついイメージがありますが、大変なことはありますか

忙しい時は夜中に精米したりもしますけど、それが仕事だし、体力的にきついというのはあまりありません。
ただ、自然が相手なので、天候不良で良い米が採れず、つぎ込んだお金とか時間が報われないときは正直つらいですね。

 

逆に良いことは何でしょう

さっき報われないと言いましたけど、それでもまた来年頑張ろう!という次のチャンスがあるところ。
最大の良いところは資格試験がないこと!
技能試験などはあるけど、基本的に農業は誰でもできるんです。

 

農業に対する想いは

農業という仕事と作物に、常に感謝しています。
農業は産業だけど、農作物は製品とは違う。
製品を作っているのではなく、命を作っているんです。
一次産業は必要なものだけど、農業は儲けることが難しいから後継者が増えない。
これは日本の課題です。
これからは作るだけの一次産業だけでやっていくことは難しいので、地場産業として機能させていくことを考えています。
大きな会社と資本提携を結んだり、パートナー作りもしていきたいですね。

 

農業に就こうとしている方へ一言お願いします

最近、楽しければいいって人がいるんですけど、何をもって楽しいとするのか。
生活があるからお金が必要だし、楽しいだけでは難しいと思います。
正直サラリーマンをやっていた時の方が、何かあってもキッチリお金はもらえていたし、楽だったと思う部分もあります。
ただ、自分の中には日本人の命を守っているのは農家であるという自負と誇りがあって、それが根幹にであります。
製品ではなく、命を作る仕事に感謝できるといいですね。

 

淡々と、でも熱い想いを語ってくれた佐藤さん。
測量会社のサラリーマンから、畑違いの農業を一から始め、立ちふさがる壁も多かったと思います。
それでも、日本人の命を守っている仕事に誇りを持って言葉を紡ぐ佐藤さんの真っすぐな気持ちに圧倒されてきました。

 

インターン・採用情報

(株)入広瀬の構成員は、通年雇用4人、季節雇用2人で、20~60代の方が活躍しています。
代表取締役の佐藤さんは40歳。
これからどんどん若い力を必要としています。
通年学生インターンの受け入れを行っていますので、興味をお持ちになった方はインターン情報<外部リンク>及び採用情報<外部リンク>もご覧ください。

株式会社入広瀬のみなさんの写真
​株式会社入広瀬のみなさん

 

会社概要

企業名 株式会社入広瀬

事業内容 農産物生産販売、加工品製造販売、道の駅いりひろせ指定管理、菓子製造販売

ウェブサイト http://www.irihirose.jp/<外部リンク>